FXの自動売買のEA(expert adviser)には、どのような種類の物があるかまとめてみました。
EAの基本的な知識
EAには色々なタイプの物があります。基本的にはロジックによってEAの種類が分かれます。
ロジックとは、EAプログラムによってある条件になった時にエントリーし、ある条件になった時に決済しますが、このある条件の部分がロジックになります。
このロジックは、裁量を元に考えられた物やインジゲーターを元に考えられた物、取引時間、通貨の性質、通貨の数等を利用している物など様々です。
最近では、時間軸に注目した朝スキャや仲値等のEAが流行ってきています。
1ポジションEA
これが基本のEAです。
一つのポジションが、ある条件になった場合に、エントリー及び決済を行うEAです。
なかなか勝てるEAは少ないです。
又、勝てるEAがあったとしても、損小利大のEAでは、連敗した時にメンタルが持たず止めてしまい、
結果勝てない場合が多々あります。
勝率とリスクリワードレシオのバランスが良いEAを探すのがポイントです。
ナンピンEA
複数のポジションをもつEAです。
1ポジションEAでは、エントリーポジションから逆行した場合、損切りしてしまいますが、
ナンピンEAの場合、逆行した時に複数のエントリーポジション持つことで、
エントリーポジションを平均化し、決済に有利になるようなロジックとなっています。
基本的には、損切りが無い物が多く、損切りがある物は一度負けると大きく損失が出てしまいがちです。
資金管理が最も重要となってきます。
マーチンゲールEA
ナンピンEAに似てますが、ある意味諸刃の剣なので禁じ手とされている手法のEAです。
ナンピンEAのようにエントリーから逆行した場合、複数ポジションを取りますが、
マーチンゲール法は、逆行するたびに倍に賭けていく手法です。
その為、ナンピンEAより有利な位置で少しでも戻れば決済できます。
しかしながら、逆行し続けた場合雪だるま式にLotが増えていく事になり、又、含み損も増えていき、
戻らない場合は、破綻となってしまいます。
資金管理が最も重要となってきます。又、含み損が増えていったり、破綻した時のメンタル管理がもっと重要となってきます。
スキャルピングEA
短時間で細かく稼いでいくEAです。
基本的に利益は数pips、損失は数十pipsに設定されていることが多く、勝つことが多いので見ていて楽しいですが、大きな損切りをくらうと取り返すのに時間がかかります。しかし、そこは勝率でカバーしているEAが多いです。
ポジション保有時間は1分~数時間以内が目安。
裁量トレーダーの方のスキャルピングは1日に数十回トレードしますが、自動でトレードさせる時は、スプレッドなど色々条件を設定しますので実はそこまでチャンスは多くありません。
スキャルピング系EAなら、1日に数回トレードすればいい方です。
日によってはトレードしない日もあります。
スキャルピングなので、運用口座もスプレッドや約定速度にこだわらないと本来のパフォーマンスを発揮できません。
開発者の方の使用しているFX業者を使うのがベストです。
デイトレEA
基本的にはエントリーしてからその日のうちに持ち越しをしないで決済するEA。
デイトレEAの中には2・3日ポジションを持つものもあります。
数時間~数日保有が目安。
持ち越しの時は、大体含み損を抱えている時が多い気がします。
もし、持越ししないEAならば紹介ページに持ち越し無しなど大体記載されています。
基本的にはスキャルより大きな利益を狙ったものが多いので、その分損失も大きくなりますが、
スプレッドなどの影響がやや少なくなります。
しかし、それでもスプレッドの狭い国内業者を使ってくださいという開発者の人が多いので、スプレッドは重要になります。
スイングEA
基本的に1日~数日かけてトレードするEA。
デイトレEAよりもさらに大きな値幅を狙うEAです。
当然ですが、大きな時間足でトレードし、取引頻度も少なく、なかなか決済しません。
ただ、裁量トレードでも大きな時間足でトレードした方がダマシにある確率が少なくなるとも言われ、ロジック的には強いものが多いとされています。
長期間フォワードテストでプラスを出し続けて、めちゃくちゃ売れたEA「1本勝ち」も、スイングトレードに近かったです。
単体での運用では見ていても面白くありませんので、他のEAと併用しポートフォリオとして組むことをお勧めします。
朝スキャEA
朝スキャとは、日本時間早朝にスキャルピングでトレードを行うEA。
早朝は市場参加者が少ない時間帯なので、値動きが穏やかになり、レンジを形成しやすい時間帯です。
ロジック自体に優位性があり、近年爆発的に人気になっています。
朝にスプレッドを大きく広げる業者が増えてしまった事で優位性が落ちたという意見もありますが、逆に言えば、業者は朝スキャ対策しているということにもなりますので、ここに優位性があることの証明にもなっています。
実際、朝スキャで利益を上げているEAが複数存在しています。
ただし、朝から大きなトレンドが出てしまったときは大きな損失をくらってしまうことがありますので
トレンドが出そう・ファンダメンタル要素で大きく動きそうなときは、EAの稼働を止めることを勧めます。
仲値EA
日本時間の仲値時間を利用してトレードするEA。
特定の時間帯の相場の性質を狙ったトレード手法のEAです。
仲値(なかね)とは、午前9時55分のレートを元に銀行が午前10時に窓口に公示するレートのことです。
企業などがこの仲値にかけてドル買いを行うと言われており、日本時間9時55分の仲値に向けてドル高になるのを狙ってロングでエントリーする手法のEAです。
基本的には、仲値が終われば決済しますが、EAによってはその後ショートでエントリーし、往復を取るEAもあります。
決まった時間にエントリーし、決まった時間に決済するのでロジックが非常に単純です。
意外にも長期フォワードテストが良好なEAが多く、優位性があると言えます。
ポートフォリオの一つとして他のEAと組み合わせて運用するのがお勧めです。